学生時代、買って読んだ本。
続編の彩花がおしえてくれた幸福 /山下京子(著者) を図書館で見て、
昔読んだこちらも改めて読み返しました。
当時、学生だった私は年の変わらない犯人に、ショックが大きかったのを覚えています。
子が事件に遭うまで近隣で少年犯罪が起きていたことを知らなかったと記載されています。
中学校が、警察や住民から連絡を受けながら、
学校側の判断で犯人の特定も住民への周知もされず、隠蔽されていたと。
事件を周知され早い段階で調査されていたら、防げたかもしれない、
被害も最小にできたかもしれないと思うのは私だけでしょうか。
こちらの本では、事件や事件当時の背景、マスコミの被害者宅周辺や被害者宅への張り込み、聞き込み、時間を問わない訪問への困惑と憤り、被害者の生い立ちが多く書かれていますが、
続編では、その後の家族の変化やマスコミ関係者との付き合い、犯人への思いが書かれています。
続編の中で、
山下さん、いつも元気でもう事件のことを乗り越えられたみたいね
逆に
遺族が泣いたら、死んだ人は成仏できない
あれををしないと、これをしないと成仏できない
という声がけに、善意とは理解しつつも心が痛んだと。
娘の死を乗り越えたみたいね なんて、よく言えるもんだと思いますが、
辛い思いをした人が、笑っていたりごく普通に日常を送っているだけでも、疑問に思ったり怪訝な顔をする人はいるものです。
身内の死後、旅行や趣味をすることに対して不謹慎と言う人もいます。
私が昔買って持っていたのは、こちらの全面が被害者の書いた絵のタイプでしたが、被害者の写真付きに表紙が変わったようです。
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お母さんは今でも講演などされているのかなと調べてみると、
2年前の春、亡くなられてしまったようです。
私自身、犯人や被害者と同世代で、被害者のお母さん(著者)と私の母も同世代だったので、いろいろ感じることが多かった事件でしたが、
本の中では気丈で友人・知人にも恵まれ、とてもパワフルに感じられた被害者のお母さんが、若くして亡くなられたことがまたショックでしたが、
事件から20年経ってもなお、事件前日被害者が甘えてきたことが脳裏に焼き付いて忘れられないとインタビューに答えられていましたが、
天国で彩花ちゃんと無事再会できたでしょうか。
彩花ちゃんが、天国の案内をしてくれたでしょうか。
ご冥福をお祈りいたします。